KiichiのTechニカルな話 Part5

“Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life.”
誰かの目線を気にし続ける必要はないです。
他人の目線なんて、一瞬です。
きっとあなたのこと、見たことさえも、帰りの電車の中の広告見た時に忘れているでしょう。
ここに白い豆腐があります。そして同じ形と色のレンガがあるとしましょう。
人間はこれを触らずに判別できるでしょうか。
もしかすると、水々しく潤いを見せている方が豆腐だと判断するかもしれません。
どう見ても小さな無数の穴が見える、ちょっと古ぼけた方がレンガだと見抜くかもしれません。

人間はどうやって判断するのでしょうか。多くの場合、これらは経験に基づくものになります。
その物体の艶や質感、これらはもちろん視覚的なものですが、もちろん豆腐を見たことも触ったこともなければ到底判別はできないでしょう。
では、ロボットはどうするでしょうか。このロボットには人間と同等レベルで物体を見ることのできる目があるとしましょう。おそらくこのロボットには豆腐と白レンガを区別することはできないでしょう。
ロボットには記憶がありません。おそらく経験もありません。
豆腐を食べたことも触ったこともありません。
では、次のシナリオです。
・白い豆腐(1)
・白いレンガの形をした豆腐(2)
・白い豆腐の形をしたレンガ(3)
・白いレンガ(4)

この4パターンを人間とロボットはどのように区別できるでしょうか。(簡単なため、(2)と(3)に関しては見た目はそれぞれの形のものと全く同じとしましょう)
・・・・・ちょっと難しそうですね。
では、こうしましょう。
人間にもロボットにも(ロボットには人間と同等の)区別できるほどの触感を持たせることにしましょう。手です。ロボットは強すぎて豆腐は崩してしまうかもしれませんね。
人間には記憶と経験があり、触りながらでも、掴み方を修正できるでしょう。
白レンガそっくりの豆腐だったとしても、最初はレンガのつもりで掴みにいくでしょうが、違うと分かった途端に掴む力を弱めるはずです。(豆腐ですからね…。)

ちょっとした思考実験にお付き合いいただきましたが、結局のところ、人間であっても、ロボットであっても、記憶(記録)が重要であり、その蓄積による経験が大事です。
今回は思考実験でしたが、世の中のAIやDL(Deep Learning)のほとんどはこうした概念に基づいて作られています。建物のエレベーターは日々一生懸命に働く時間帯を学習しています。あなたのiPhoneは毎日どの時間帯に最も電力が必要かも学習しています。
どこからアクセスしたどのような年齢のどんな性別の人がどんな時間帯にどんなものを検索したのかも学習しています。こうしたDataを記録として積み重ね、綺麗に整理整頓し(データクレンジング)、蓄え続けることで経験を増やし、次回はもっと良いパフォーマンスを発揮できるように考えています。

人間の記憶の蓄え方と機械のそれは違うことが多いですが、記憶と経験から次のアクションを予測し備え、実行していく行動そのものの基礎は、双方に違いはありません。(設計されたアルゴリズムにもよる)
昨日よりは今日は良い日になるだろうし、今日より明日はより良い日にしたいです。誰かの目線を気にしすぎないように。意味不明なDataを記憶に残すくらいなら、そんなもの削除してしまいましょう。
次の行動におかしな判断が加わらないように。
– – – 次回に続く – – –
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